会員の皆様におかれましては益々のご清祥のこととお慶び申し上げます。さて、私こと、第10回定時会員総会にて承認され会長に就任いたしました。田中前会長からバトンを受け、大役を仰せつかり、身の引き締まる思いでございます。就任に当たりまして、まずは、これまで役員としてご尽力された皆様方に心より感謝申し上げます。私自身もこれまで2期4年副会長として、会の運営に携わってきましたが、引き続き全役員一致団結して技師会としての使命を全うしていく所存です。

 その使命の第一は「職能団体」としての機能、役割を果たすべく、運営していくことだと考えています。平成30年6月にいわゆる「働き方改革関連法」が成立し、ご存じの通りメディカルスタッフの「タスクシフト/シェア」が議論され検討されています。業務範囲を拡大することは、その職業の地位の向上や待遇の改善につながることで、すべてのメディカルスタッフにとって非常に重要なことです。

 令和3年10月1日に「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律」によって診療放射線技師法が改正され、業務範囲が拡大されました。これはわれわれの専門性を活用することで、医師の負担軽減を目的としたタスクシフト/シェアを推進するために行われたもので、院内はもとより社会的地位の向上にも重要な意味を持つ法改正です。これはまさに技師会の活動の成果です。ただ今回は、法案成立と共にそれらの業務が可能となるわけではなく、告示研修の受講が必須となっています。すでに基礎研修は開始されていますが、実技研修は大阪ではまだ開催できていません。令和4年度からは、前回の統一講習会含め、できるだけ多く開催したいと考えています。皆様方におかれましては、ぜひ早めに受講されることをお勧めします。また、現在全会員に自動で付保されている団体保険は、業務が拡大されてもそのまま適用されます。業務範囲が拡大されればその責任も拡大されることになり、団体保険の重要性も増してきます。お近くに非会員の方がいらっしゃれば、これを機に入会していただくようお声掛けください。

 会員を増やすことも非常に重要な課題です。前執行部もこれに力を入れて取り組み、一定の成果を得ましたが、まだ十分とは言えません。今年度は、近畿地域の技師会の中で会員数が一番になることを目標として掲げ、全力で取り組んでいきたいと考えています。

 令和2年3月からは新型コロナウイルス感染症に振り回され、生活様式など様々なところで変化がおきました。ここ数カ月は少し落ち着いてきた感がありますが、完全に終息するまでにはもう少し時間がかかりそうです。当面はWithコロナの状況が続き、その中でどの様に活動していくかが重要となってきます。学術セミナーや研修会の開催方法として、Web配信はすでにある程度設備と仕組みは整いました。今後は感染状況を見ながらWeb配信に加え会場参加型と並行して行うハイブリッド方式で開催していきたいと思います。

 福利厚生事業については、コロナ禍になってから、感染拡大防止の観点からほとんどのイベントを中止しました。しかし、今後はWithコロナの中でもいろいろアイデアや工夫を凝らして開催する必要があると考えています。Webを利用したオンラインのイベントや参加型でも密を避けて感染対策を施した企画など、模索していく予定です。

 令和4年度・5年度のスローガンは「Next Step 新しい診療放射線技師へ」に決定いたしました。業務は拡大されましたが、次のステップに上がるためには、これらをルーチン業務に取り入れ、定着させる必要があります。「新しい診療放射線技師」に向けて、皆様からご意見をいただきながら、会の運営に取り組んで行きます。

 皆様方のご理解・ご協力を心からお願い申し上げ、就任の挨拶といたします。