【 はじめに 】
平成17年6月1日より改正された放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(放射線障害防止法) が施行され放射線取扱主任者の定期講習制度の創設が行われました 。この講習は 、選任された放射線取扱主任者の資質の向上を図り 、安全性をより一層高めるために行われるものです 。
旧法では 、選任された放射線取扱主任者の講習の義務はなく 、能力の維持・向上は 、自発的な研修にのみ委ねられていましたが 、放射線障害防止法の改正に伴い 、法令改正の詳細や事故から得られた教訓による再発防止のための講習は 、制度として位置づけられるべきであるとされています 。
事業者等は 、選任している放射線取扱主任者に定期的に文部科学大臣の登録を受けた 「登録定期講習機関 」が行う講習を受けさせることを義務付けられることになります 。
【 定期講習制度の創設について 】
1. 対象者
*許可届出使用者
*許可廃棄業者
*届出販売業者 、届出賃貸業者(以下の届出販売・賃貸業者を除く 。)
・表示付認証機器のみを販売・賃貸する届出販売・賃貸業者
・自らは運搬又は運搬の委託を行わない届出販売・賃貸業者
(直接放射性同位元素を取り扱わない届出販売・賃貸業者)
(規則第32条1項)
2. 受講間隔
*放射線取扱主任者選任後1年以内(1)その後は3年以内(2)
(1)選任前1年以内に受講していた者は 、受講後3年以内
(2)届出販売業者・届出賃貸業者(運搬等を行う者)は受講後
5年以内(規則第32条2項)
3. 定期講習の実施機関
・登録定期講習機関(法第36条の2)
定期講習
登録定期講習機関等が行う放射線取扱主任者の資質の向上を図る
ための講習(法第36条の2)
登録定期講習機関
定期講習を行う登録機関 。登録の要件は 、知識経験を有する講師が
法令に規定する課目の講習を行うこと等(法36条の2 、第41条の34)
4. 受講科目及び受講時間(法別表第3 、講習時間数告示第3条)
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選任事業者
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非密封線源 、放射線発生装置の許可使用者 |
密封線源のみの許可届出使用者 |
届出販売・賃貸業者 |
許可廃棄業者 |
課目 |
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放射線障害防止法に関する課目 |
1時間以上 |
1時間以上 |
1時間以上 |
1時間以上 |
放射性同位元素等の取扱いに関する課目 |
1時間30分以上 |
1時間以上 |
―
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1時間以上 |
施設等の安全管理に関する課目 |
1時間30分以上 |
1時間以上 |
―
|
1時間以上 |
事故事例に関する課目 |
1時間以上 |
1時間以上 |
1時間以上 |
1時間以上 |
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|
5. 補足
*放射線取扱主任者免状と放射線取扱主任者の選任
の区分は以下の通りです 。
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主
任
者
免
状
の
区
分
|
免
必状
要取
な得
試に
験亞
等亞
|
事
業
者
の
区
分
|
特
定
許
可
使
用
者
|
非特
密定
封許
線可
源使
の用
許者
可以
使外
用の
者亞
|
密特
封定
線許
源可
の使
許用
可者
使以
用外
者の
|
届
出
使
用
者
|
届
出
販
売
業
者
|
届
出
賃
貸
業
者
|
許
可
廃
棄
業
者
|
表
示
付
認
証
機
器
届
出
使
用
者
|
亞表
特示
定付
認認
証証
機機
器器
の届
使出
用使
を用
す者
る表
者示
亞付
|
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第
1
種
|
第1種試験 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
選任
不要
|
第1種講習 |
第
2
種
|
第2種試験 |
― |
― |
○ |
○ |
○ |
○ |
― |
第2種講習 |
第
3
種
|
第3種講習 |
― |
― |
― |
○ |
○ |
○ |
― |
|
|
|
|
|
*定期講習を受講するのは 、放射線取扱主任者ですが 、法律上 、許可届出
業者 、届出販売業者 、届出賃貸業者及び許可廃棄業者は主任者に定期
講習を受けさせることが義務付けられます 。
(法第36条の2)
*定期講習が義務付けられているのは 、選任された放射線取扱い主任者
のみであり 、放射線取扱主任者の代理人や放射線取扱主任者免状を
有する者であって放射線取扱主任者に選任されていない者の受講につ
いての義務はありません 。ただし 、これらの定期講習の受講を禁じる意味
ではありません 。多くの方が受講を通じて能力の維持向上に努められる
ことは望ましいことと考えています 。
*定期講習には 、登録機関の登録がなかったとき等に文部科学大臣が定期
講習を実施する旨の規定がおかれていません 。これは 、定期講習業務は 、
国の業務の代行性がない業務であるためです 。このため 、業務規定も認可
ではなく届出制となっています 。(法第36条の2 、第41条の34)
6. 経過措置
*最初の定期講習
放射線取扱主任者に選任された時期に応じて 、平成17〜19年度内
に最初の定期講習を受けなければならない 。
1)平成7年3月31日以前に選任された放射線取扱主任者
平成18年3月31日まで
2)平成7年4月1日から平成14年3月31日までの間に
選任された放射線取扱主任者
平成19年3月31日まで
3)平成14年4月1日以後に選任された放射線取扱主任者
平成20年3月31日まで
【 おわりに 】
以上 、文部科学省の原子力・放射線の安全確保ホームページ 、放射線障害防止法の改正について( http://www.nucmext.jp/boushihou/boushihou010.html) より抜粋いたしました 。
今回の改正の中で 、事業者等は選任している放射線取扱主任者に 、定期的に文部科学大臣の登録を受けた 「登録定期講習機関 」が行う講習を受けさせることが義務付けられています 。現在 、定期講習が行われている団体は下記に示す4団体あります 。選任されている放射線取扱主任者の方は 、経過措置の期間内に受講するよう注意が必要です 。
・(社)日本アイソトープ協会 (http://www.jrias.or.jp)
・(社)日本放射線技師会 (http://www.jart.jp)
・(財)原子力安全技術センター (http://www.nustec.or.jp)
・(財)電子科学研究所 (http://www.esi.or.jp)